自由人 三上 元の選択

6月16日の日経の夕刊、17日の各新聞で報じられた第三者検証委員会ほど、いいかげんなものはない・…と私には感じられた。
2011年3月14日、記者会見中の武藤副社長に、清水社長が…官邸からの指示だ、炉心溶融の言葉は絶対に使うな…と伝える。それ以降、炉心溶融という言葉を使わないようにする認識が社内で共有されていた。
しかし清水社長には官邸の誰から指示されたかの記憶はない。
当時の官邸の要人には聞き取りしていない。
以上終わり…とという報告書である。片方からの聞き取り報告書なのだ。
これに対して、新潟県は…これまで虚偽の説明をしてきたということであり極めて遺憾です…と知事コメントを発表した。
当時の官邸の要人…菅直人総理は、言うはずがない、とコメント。枝野官房長官は、その直後の記者会見で私は炉心溶融・メルトダウン・の可能性がある、と発言していますよ、とコメント。
清水社長が、記憶にない、という発言をしたことも理解できない。片方の聞き取りだけで報告書を閉めてしまうやりかたも、理解できない。
6月18日の中日新聞は社説で…炉心溶融隠し、安全文化はどこにある。深刻な事態の公表が遅れても、対応マニュアルの存在に気づかなくはても、不当ではなく社内の空気のなせるわざ。第三者検証委員会の報告はそう読める。東京電力に安全文化は根付かないのか。柏崎刈羽原発の再稼働など認められるものではない。・…と。
だが、このニュースの扱いは各新聞とも小さかった。イチローの快挙、舛添知事辞任、イギリスのＥＵ離脱などのニュースに負けました。
そして6月17日、大津地方裁判所は、高浜原発差し止め継続の判決を下した。大津地裁は3月9日に高浜原発差し止めの仮処分を下し、今回、関西電力の不服申し立てを却下した。司法の存在感に感謝、感謝。三上元 拝。