2021年07月31日

ブログ 785、福島原発事故、国の責任を認めた判決がまた出た。

7月30日、福島地裁郡山支部の佐々木健二裁判長は、福島原発事故の責任は国にもある、
という判決を下した。判決ではーー

専門家が、原発敷地を超える津波が来る可能性大、という報告をしたのに、国は電力会社にその対策を行う命令を出さなかった。故に国にも責任がある。

ーーと明快な判決である。国の責任を認めた判決、という点では原告・浪江町600人の住民・の勝利と言える。だが1人当たり150万円程度しか金額を示さなかった点に不満は残る。

古里を追われた人への慰謝料は、ダム建設のため移転した人達に支払った額の平均値が妥当な額だと私は思ってるが、それに比べてあまりにも少ないようだ。

ダム湖には永久に戻れない、しかし放射線量はどんどん少なくなり何十年、何百年後には戻れるのでその額までは出せない、という論理らしい。しかし孫の代にやっと帰れる、なんて、ひどい。

原発の再稼働に当たり、古里を去らなければならない時、いくら出してくれるのですか?そしてこの家と土地と山林にいくらの賠償金を出しますか?その合意があった時、その保険料を保険会社に月々支払うことを約束したら、再稼働を認めることにすべきだと思う。

どうやって逃げるんですか?避難計画なんて、どうせ役に立たない。

裁判所が国の責任を認める時代に変化しつつある気がすることに喜びたい。
それにしても裁判所が判決を出すまでに、2年も3年も必要なのですかね。私も原告に参加した浜岡原子力発電所の差しどめ訴訟は10 年経っても1審の判決が出ない。裁判長は3年程度でどんどん代わる。
裁判長は自分の時に判決を下したくないとしか、思えない。

もう一つ
桜を見る会の前夜祭、不起訴は不当、と検察審査会が議決した。当たり前だろう、これも遅いよ、
災害と判決は忘れた頃にやって来る、そんな格言がありますね。
原発ゼロ自然エネルギー推進連盟・幹事
脱原発をめざす首長会議・世話人  三上元 拝。  


Posted by 三上元 at 11:18Comments(0)脱原発

2021年07月22日

ブログ 784、エネルギー基本計画の原案が出た‼️

3年毎に目標値を見直すエネルギー基本計画の2030年時点での数値目標の原案が経産省から示された。
中日新聞は素案と書き、日経新聞は原案と書いている。素案と言うと叩き案の雰囲気が漂ってこれから
かなり変更もありそうな気がするので、私は原案と言うことにする。

評価できる点は、1つ
3年前、23 %が目標だった再生エネルギーのウェイトを37%と5割も高めたこと。内訳も具体的で
太陽光15%、水力10 %、風力6%、バイオマス5%、地熱1%、水素・アンモニア1%、と書いている。

そのために、送電網と蓄電池への投資も重要、営農型太陽光発電の拡大、洋上風力発電推進のため直流送電システムを検討する、などなど再生エネルギーを推進する本気度が書かれている。

これは河野太郎、小泉進次郎を軸とした自民党内の再生エネルギー推進派が努力したことを物語っている。

評価できない点は2つ
 1、プルサーマル・核燃料サイクルの推進、と書いてある。
 2、原発は可能な限り依存度を下げる、と書いているのに、原発の依存度21%のままが目標値だ。

プルサーマルは12 基の原発で実施を目指す、と書き、核燃料サイクルにしがみついていること。
この核燃料サイクルについては、原子力規制委員会の前委員長・田中俊一さんがーーー最大の問題は未だに核燃料サイクルに拘泥していることーーーと語っているように、バカバカしいほどの時間とコストをかけながら、断念できない決断力の無さが、問題である。

京都大学原子炉実験所を退任し松本市で農業を始めた小出裕章先生を、今年1月に訪問して、核燃料サイクルについて質問したが、ーーー日本には核燃料サイクルをやる能力・技術力が無いのですーーー
とまで言う。
もんじゅを断念したように、断念するのは時期の問題だけなのだ。

2つ目ーー原発依存度を21%のままにしているが、それなら原発の新設や60年過ぎても使う、などの記述を書く決心までは無い。

これは、自民党内の原発推進派・安倍晋三を筆頭にした140人ほどの強い圧力が、しっかり存在していることを物語っている。
一方、菅義偉総理が、この目標値を容認しつつ、原発の依存度を下げる、の記述も容認しているのは、総理は原発推進派ではない、とも推定できる。河野太郎と小泉進次郎を閣僚に据えているのは、腹の中は脱原発かもしれない。
 
先ずは、再生エネルギーのウェイトを5割高めた目標値が示されたことを喜び、核燃料サイクルの幕が早く下りる事を祈りたい。
原発ゼロ自然エネルギー推進連盟・幹事
脱原発をめざす首長会議・世話人   三上元 拝。

  


Posted by 三上元 at 10:34Comments(0)脱原発

2021年07月16日

ブログ 783、原発の寿命を延ばす、原子力村の悪だくみ‼️

7月16日の新聞は、原発の寿命を延ばす考えの検討が始まった、と伝えている。
原発の新設が困難な国民の声を認めざるを得ず、それなら現存する原発の寿命を
延ばすことにしよう、と原子力村・原発マフィアがあちこちに手を回して動き始めた、
という事かと私は推論している。

日本はフクシマ事故の後、原発の寿命は原則40年、例外としてあと20年を審査して
認める、と定めた。しかし実態は、例外というよりも60年が当然のようになっている。

各国の状況をお伝えします。

ドイツは2002年、緑の党と社民党の連立政権シュレイダー首相時代に、原発の寿命を32年と定め、
2022年に全ての原発は稼働をやめることを決議した。
しかし2010年、メルケル首相は、もう12 年延ばす提案を議会で可決。翌年のフクシマ事故を
見て、2011年7月に、寿命を32年に戻して、2022年12 月に全ての原発を停止する提案を出し、
国会が承認するのである。

アメリカは、40年の原発は審査して20年延ばすことができる。次も審査で20年延ばすことができる。
既に60年を超えた原発が出現している。

40年を超えた原発の比率は、米49%、英27%、カナダ26%である。これらの国では原発の新設が採算上合わないので、延命の道を選択している。テロ対策したフランスのフラマンビル原発は1基が従来の3倍程1.4兆円かかるので採算に乗らないのである。

最長60年の寿命 これを認めるか否か、これを次の総選挙の争点にしようではありませんか。
大自然に感謝、三上元 拝。

  


Posted by 三上元 at 14:39Comments(0)脱原発

2021年07月13日

ブログ 782、太陽光は原発より安い、と経産省が認めた❗️

今日の各紙は、原発より太陽光が安い、の記事でいっぱいだ。
経産省が現実をやっと認めた、という意味で嬉しい記事である。
やっと認めたかい、このアホが! とも言いたい。

思えば、2011年の夏、原発のコスト分析の権威・大島堅一先生の研究室を訪問した湖西市長だった私に
ーーー福島原発事故の半年前の9月に私は原子力委員会に原発のコスト分析を報告したのです。原発のコストは火力発電より高い、有価証券報告書を分析しての結論です、と。原子力委員会の委員長・近藤駿介さんが、あなたをここに呼ばなければ良かった、と呟いたのでした。ーーーとおっしゃるのでした。

それから5年後、2015年に発表した経産省のコスト分析でも、原発は火力発電より安い、というものだった。そして今日の各紙の記事によればーーー
2030年時点での発電コストは、太陽光が1番安い8円、風力が9.5円、LNGが10.5円、石炭が13.5円、原発は11円台より高い、と経産省が12 日に発表したのだ。

官僚が現実を認めるまでに、何と10 年もかかったのである。あるいは原子力推進派の政治家からの圧力で事実を報告できなかった、のかもしれない。

近藤駿介さんと原発推進派は、事実を隠していた。大島堅一先生の分析が出ても、計算のやり方にはいろいろある、経産省の試算では原発は安い、と10 年も言い続けた。しかし、やっと現実を認めた経産省が今、作成しつつあるエネルギー基本計画に、これがどう表現されるのか?
楽しみである。少なくとも、原発の新設は書けないであろう。

政治家からの圧力に弱い官僚だが、現実を認め、将来の予測をして、政治家に選択肢を示して欲しい。
都合の悪いことは隠す、という体質は続くと思うので、庶民が隠されている事実を大島堅一先生の様に、それは事実と違いませんか、と指摘してゆくことである。六ヶ所村の再処理工場しかり。

民主主義は国民の行動無くして成立しない。憲法も法律も解釈によって変更してしまうのが政治家なのだから。官僚も1度決裁した書類を改竄するのだから。我々は政治家と官僚を、そんな目で監視し続けようではありませんか。

快物・大谷翔平は凄い、ホームランダービーとオールスター戦での活躍を祈る。大谷翔平のためにルール変更するアメリカ人のお客様を大切にするやり方にも、座布団を差し上げたい。
大自然に感謝、三上元 拝。




  


Posted by 三上元 at 11:09Comments(0)脱原発